今週のお題/マイミュージック


 最近はブラームスからバッハ、ヘンデルに移行した模様。朝起きると立ちくらみからの頭痛コンボが酷かったりなんで、テレビもつけずにヘッドホン装着。二度寝しないように注意が必要。家庭環境もあってすっかり古典音楽になじんでしまったようです。バッハなんて昔は嫌いだったのにな、良さがわかるようになってきたってことかな。


紅玉いづき:ガーデンロスト:第一章
 さて、ガーデンロストの第一章について思い立ったので書こう。

 
 当事者は気付いていない花園を、失ったときに全てが繋がる、気付くことはよくあることなのでしょうか。自分にはあったけれども。シバとエカのやりとりの中に、確固たる他人から他者への昇華があったように思えてならない。お互いに。ただ、エカはそのあと逃避してしまうのが現実的というか、その葛藤から逃れようとしてしまうのがありがちだな現代女の子描写だなぁ。ゲーテとかだとここで決定的にぶつかって……、あ、逆にここで逃避する、理解を捨てる、肯定を求めないエカの態度は21世紀的現実をより忠実に保存していると言えば、そう言えるのかな。「夢のままでいたい」エカは、でも第四章の最後では「花園」に共同体意識寄せるし、結果としては成長してるのかなぁ。


ガーデン・ロスト (メディアワークス文庫)
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 肉質の伴わない疑似恋愛に落ちるエカは、その鋭すぎる感性で純化し美化しすぎて疑似恋愛に嵌ったけれど、嘘だなんてわかっていて、だからこそ王子様幻想も持っていて、それでも夢から醒めたくない、行き場のない葛藤を抱えて生きている。ハルヒとエカの対比はすごいな。両極端な「想像」であり「妄想」。「嘘」が強くなって生の実感が霧消して希薄化してる中高生の支柱なき虚像(われわれ)を、私たちはガーデンロストの第一章で追体験することになる。