拙文集

ココロコネクトの「理解」と「解釈」第6回

その六:ニセランダムと「ナルシズムからの脱却」 ちょっと、言葉遣いに疲れて来たので、語り口を変えます。 第五巻では新入部員の千尋の視点が中心となる物語である。今回描かれるのは、発生する不可思議な状況の原因でもある千尋の、「世界の再構築」が行…

ココロコネクトの「理解」と「解釈」第5回

その伍:ミチランダムと「在日三世のカフカ」 第四巻では「感情伝導」という、要するに心で思ったことが他の文献部員に伝わってしまう、という内面筒抜け状態になってしまう、という出来事が起こります。 さすがにここまで来ると、「とある魔術の……」ではな…

ココロコネクトの「理解」と「解釈」第4回

その四:カコランダムと「家族という場所」 第三巻では、文化研究部のメンバーの時間が、ランダムに退行して幼少期や少年時の記憶がフラッシュバック(そして関係性に影響を与えあう)という出来事が起こります。 今回一番影響を受けたのは桐山唯でした。彼…

ココロコネクトの「理解」と「解釈」第3回

その参:キズランダムと「夢の弁証法」 第二巻で起こる出来事は「欲望解放」という、身も蓋もない異常事態です。(私はもっとエロエロな展開が起こるものだと思っていましたが、あまり起きなかったところに不自然さを感じつつも、恣意的な発生条件だと再認識…

ココロコネクトの「理解」と「解釈」第2回

その弐:ヒトランダムと「友情の点呼にこたえる声」 第一巻であるヒトランダムでは、まだ薄ぼんやりとですが「精神の共同体」の萌芽を感じます。シリーズ通してのテーマとして「感情」というのがある種のキーワードとなっており、不純で曖昧な混ざりものとし…

ココロコネクトの「理解」と「解釈」第一回

その壱:私たちを取り巻く世界の「イマ」 イマ、を片仮名にしたのはロミオ信者だからではありません。あくまで強調としての今=イマです。 さて、「涼宮ハルヒ」から読み取った「経験」の後姿(背中)以降、私は長きに渡って沈黙していましたが、最近メディ…

読書会の資料

ツイッター上にも載せた読書会の資料を公開しようかと。 基本的に上から重要度高めな設定。 ◆読書会資料1 藤田省三セレクション /全体主義の時代経験 /老年期――生き生きとしたかかわりあい―― ◆読書会資料2 職業としての学問 /小さなものの諸形態 /名付けの精…

新作のお知らせ

バイト先で軍手が無くて冷たい思いをした、が、ヨぉく考えればそんなのはいつものことである。だがなぜかテンチョーが目くじら立てていたことがよくわからない。その日に限って。 理不尽だぁー、と思ったので異邦人を一気読み。 今日はあとで角瓶でも飲もう…

茅原実里のCD借りた

弟に借りた。ちはらみのり、(茅原実里)。 純白サンクチュアリィと君がくれたあの日、です。 純白サンクチュアリィしかまだ聞いていませんが。 ボーカルとしても声優としても、これから頑張ってください。 明日は面接、がんばるぞーーーー。あ、それと安っ…

今週のお題/愛と萌えのお話1

春が来たら酒飲みます、決まってるでしょう。 東浩紀がツイッターで「ぼくは、もし愛と萌えの境界を画定できたら、言い替えれば「他者」と「キャラ」の境界を画定できたら、哲学史に残ると思うよ。けっこう本気で。」と言ってることだし、まぁ少しは貢献でき…

私のやろうとすること

私は基本的にこのブログには、読んだ本や見た芝居や聴いた音楽についての良い面しか書かない。だからそれについていちいち、こんなのに感動できるなんて、とか、こんなので衝撃を受けたなんて、などという瑣末な思いに対しては一切相手にしないだろう。だれ…

悲劇の形式と美少女ゲーム

ハチクロを理解するためにアリストテレスの詩学を読んだがいまいちわからない。が読んでいて思ったことをダラダラまとめて残しておこうと思います。以下に続くのは「悲劇の形式と美少女ゲーム」を過剰に肯定した言説といえる。(笑)だから容赦ない突っ込み…

一部修復

世界の中心でバルスと叫ぶ。ではなく、ピンズ・ログ第五回公演「足りてる男」の感想、布教運動。笑ネタばれにならないように頑張るよ。 - 「火の鳥にキス」でもそうでしたが、状況を描いて巧みにテーマを編んでゆく手法は一見するとわかりにくく、理解するこ…

「老年的努力」的超越 第3回

今年、そして2000年代の終わり。 新年早々バイトなんだけど、踏ん張って生きよう。] 紫色のクオリア (電撃文庫)への興味がむくむく湧く。 書評サイト「三軒茶屋」別館↓での2009ベストラノベだそうだ。 http://d.hatena.ne.jp/sangencyaya/20091231/126224716…

「老年的努力」的超越 第2回

さてさて、今年も残るところあと一日と7時間ほどですね。 皆様いかがお過ごしでしょうか!ーーーーーーーーー ビルの向こうの青い空を「遠視」できないほどに、想像力の欠如した我々は、人間的なものと非人間的なものを同時に写し取る「眼」をもっていると意…

「老年的努力」的超越 第1回

イラク戦争が今も続いているとして、その民間人の犠牲者は七年弱で約十万人、平均すると一年に二万人に達しない。硫黄島の戦いでは日米双方の犠牲者をあわせても三万人に満たない。其れと比べて日本の自殺者は、警察庁の資料を信じるとして毎年三万人を超え…